
柵に囲まれて4ヶ月
手術が終わって意識が戻り長い入院生活が始まりました。入院生活自体は、可愛らしい看護師さんが担当してくれたおかげでとても快適だったのですが、自分は素行の悪い患者で、栄養チューブを抜管したり、ベッドから逃げようとしたので、柵で囲われた監獄のようなベッドに移され、利き手を拘束帯で柵に繋がれ、両手にミトングローブっていうモコモコの手袋をはめられて、2カ月の間、起き上がることはもちろん自由に身体を動かすことが出来ませんでした。毎日とても辛かった思い出です。
脳神経の障害ではなかった
ベッドに縛られて動けなくなって2ヶ月ほどたった頃、天使が救いに来てくれました。
なんとかして拘束帯から縄抜けしようともがいていたある日、「リハビリの担当になりました○○ですよろしくお願いします」と言う、見たこともないような美しい女性が現れました。
ついに自分のリハビリが始まったのです。リハビリする時はさすがに拘束帯は外されてリハビリセンターで身体を動かせるのと、お美しい理学療法士さんのおかげで、このリハビリの時間が入院生活で唯一の救いの時間となりました。
手術が終わった頃の看護師さんや先生の観察で、自分は脳神経に障害を負ったことによる、左手と左脚の障害、あと言語機能の障害と診断されていて自分でもそうだと思い込んでいたのですが、リハビリのチームの作業療法士さんと言語聴覚士さんも理学療法士と同じくとてもかわいらしい方々だったので、結果、一回もリハビリを休むことなく頑張れた事である事に気がつきました
ほめて欲しさにリハビリを頑張った事で気付いた事、それは
「練習すると手も足も少しずつ動くようになる!!」
という事でした。もちろん言語も大きく正しく話せるようになりつつありました。
「脳神経の障害を負ったからではなく、動かさない生活をしていたので、筋力が低下しきっていたため上手く手足を動かせず話せなかったのだ」と判ったのです。
現代は多くの高齢者様が寝たきりになっていきます、が安全に見守られながら「活動」を積極的に取り組んでいくことで、寝たきりは防げると思います。
自分はお陰様で、退院後もリハビリを続け、今では車を運転できるようになり、杖なしで長距離を歩けるようになり、仕事にも復帰できました。